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作家・翻訳家・仏文学者

澁澤龍彦

No.100 澁澤さんの家の方へ

Tatsuhiko Shibusawa

没後30年以上を経て、いまだに秘教的な人気を博する澁澤龍彦。澁澤龍彦とは、いったい誰なのか。
最初に彼は、ジャン・コクトーの、そしてマルキ・ド・サドの翻訳者として現れた。では彼は仏文学者だったのか。
いや、そうではない。
たとえ、本人の著作の全集のほかに、翻訳の全集まで刊行されているにしても。
ちなみに、翻訳の全集が刊行されているのは森鴎外と澁澤龍彦のふたりのみである。

No.100 澁澤さんの家の方へ

澁澤龍彦は翻訳のみならず、エロティシズムや退廃の美学に光を当て、該博な教養を背景に数多くのエッセイを発表した。
そして、遺作となったのは、魔術的な小説『高丘親王航海記』だった。
およそ、澁澤龍彦は澁澤龍彦であるとしか言いようのない特異な存在なのだ。

No.100 澁澤さんの家の方へ

三島由紀夫が「珍書奇書に埋もれた書斎」と評した、その書斎は、龍子夫人によって生前のままに保存されている。
少なからぬ絵画やオブジェに彩られた澁澤龍彦の家は、それ自体が作家の内面を外在化させたかのようでもある。
本篇では澁澤邸にカメラを入れ、澁澤の研究者であるスティーヴ・コルベイユ、澁澤との出会いが進むべき道を決めたという気鋭の研究者、平井倫行、澁澤と親交があった舞踏家の笠井叡、三氏への取材と龍子夫人の回想によって稀代の文学者、澁澤龍彦の像を立ち上げていく。
今、あらためて澁澤龍彦に出会うためのドキュメンタリーが誕生した。

No.100 澁澤さんの家の方へ
(text 城戸朱理)
澁澤龍彦

澁澤龍彦(作家・翻訳家・仏文学者)
1928年-1987年 東京生まれ
東大仏文科卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら、古今東西の文献から得た豊潤な知識と洒脱な文章でエッセーの新境地を開く。晩年は『唐草物語』(1981 泉鏡花賞)、『高丘親王航海記』(1987 読売文学賞)など、独自の小説世界を開拓した。

PLANNER / SUPERVISOR
城戸朱理
NARRATOR
細谷みこ
READER
川口覚
CAMERA
山崎裕
AUDIO
森英司
VIDEO ENGINEER
井澤賢博/松浦祥子/井上裕太
CAMERA ASSISTANT
武井俊幸/新藤早代/阿斯汗
EED
池田聡
AUDIO MIXER
富永憲一
SOUND EFFECTS
玉井実
IN COOPERATION WITH
澁澤龍子/河出書房新社/聖心女子学院/天使館/ハイウッド/リムーブイメージ/
小野田桂子
ASSISTANT DIRECTOR
杉山あかね
PRODUCER
寺島髙幸/平田潤子/設楽実
DIRECTOR
伊藤憲

EDGE SP #18 / 2019.11.02

2024.12.29(日) 11:30- 放送 (BS日テレ)