ART DOCUMENTARY PROGRAM
スカパー! Ch.529にて放送中
2011年3月5日。土曜日の夜。東京・青山の「ワタリウム美術館」に33名の詩人が集まった。そのイベントとは「オールナイト・ポエトリーリーディング」。かつて、ビートニクを代表する詩人、アレン・ギンズバーグが来日した時ポエトリーリーディングをおこなった伝説的なその場所で、夜を徹して詩の朗読を続ける“詩の祝祭”が始まったのだ。
野村喜和夫の「オルガスムス屋、かく語りき」や、ヴィジュアル・ポエトリーの始祖・藤富保男の「狂詩曲・鈴木清」など、ベテランの前衛が迫力で迫れば、浅野彩香、三谷直之など、人生ではじめて人前で朗読を披露する詩人がいる。ミュージシャンの橘上や・予備校教師の川島清・そして僧侶になった石田瑞穂……普段の職種もさまざまな、この夜に集った詩人たち。しかし一週間後、彼らを一様に揺さぶる出来事があった。2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災、発生———
彼らにとっては祝祭の余韻もそのままに、突如あらわれた悲劇を伴う非日常性が連続する事態。その現実を前に、言葉もまた未曾有のものが多く飛び交い、その力が試された。だからこそ、あの夜に参加した、ひとりひとりの詩人にカメラは問う。震災は、あなたにとっての言葉を変えたのかと。
LIVE! EDGE #9 / 2013.03.16