ART DOCUMENTARY PROGRAM
スカパー! Ch.529にて放送中
アメリカを代表する詩人、マイケル・パーマー。「現代詩フェスティバル2007」出演のため来日を果たした詩人を、静岡大学准教授(当時)にしてマイケル・パーマー研究の第一人者・山内功一郎氏とともに、キャメラは京都でとらえる。
詩人の出発点は、ベトナム戦争下のアメリカにある。米国は「自由」と「民主主義」の名のもとに、大量虐殺を正当化し、ミサイルを「平和の守り手」とよんだと、詩人は語る。「希望」や「未来」といった「言葉」を信じて、人間は殺しあう。若き日のパーマーは、一強的な巨大権力を背景に、社会全体が都合よく言葉を利用する姿を目のあたりにした。イラク戦争でも変わらずに。他者の生命を犠牲にしてなりたつ「平和」、商品と消費の洪水におぼれた「繁栄」。詩人は、一方的なメッセージで人間を囲繞し、たったひとつの解釈しか許さない社会の言語・文化活動から目覚めるための、選択と多様性を、詩の言葉とヴィジョンによって手繰りよせる。
消費文化と伝統文化が隣接し、せめぎあう、京都という街。智積院や龍安寺をおとずれたパーマーと山内氏は、どんな言葉を発し、新たな選択をもとめて、歩いたのか。
EDGE SP #4 / 2007.05.26