ART DOCUMENTARY PROGRAM
スカパー! Ch.529にて放送中
ひとつの場所に定住することを拒み、放浪を続ける民、ジプシー。その果てしない旅の喜怒哀楽を歌舞の形で表わしたのが、フラメンコである。哀切と情熱とが綯いまぜとなった、パフォーミングアートとしてのダンスの奥深い魅力を、ある時は公演プロデューサー、またある時はダンサーとして自身の踊りで表現しようと奔走する女性がいる。
スタジオ・エルスール代表、野村眞里子。野村はジプシーたちが長い年月をかけて築き上げてきた本物のフラメンコに魅せられ、本場スペインでの留学を経て、フラメンコの日本での定着に尽力してきた。当時に、ジプシーによるジプシーのためのフラメンコではない、現代の東京に生きる野村にしか表現出来ない新たなフラメンコのありようを求め、夫でもある詩人・野村喜和夫の詩や、コンテンポラリーダンスなど、様々な試みを取り入れた舞台を制作してきた。
変わり続ける東京で、決してひとつところに安住しようとはしないその生き方を続けながら、野村は今日も自身演出の舞台に立つ。
EDGE 2 #22 / 2006.02.25