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ダンサー

黒沢美香

もう私のやることをダンスと言わなくていい

Mika Kurosawa

舞踊家の両親(黒沢輝男、下田栄子)のもとに生まれ、踊ることを運命づけられた娘は、長じて、踊りを問うことをも天命とした。1980年代半ば、日常性を伴う身体や即興を用いて「ダンス」とは何か、その核心に迫る作品で、舞踊界に新風を吹き込んだ黒沢美香。2008年から2009年にかけて制作された本編は、踊りに明け暮れつつ葛藤した少女時代の思い出、NY滞在を経て新たな表現を発見、展開した経緯、さらにはスタジオでの日常をも織り込みつつ、「コンテンポラリーダンスのゴッドマザー」と呼ばれた彼女の創作姿勢を追う。

もう私のやることをダンスと呼ばなくていい

黒沢美香&ダンサーズの群舞が浮き彫りにする、ズレてしまう身体の愛らしさ。自らの身体の隅々にまで耳を澄まし、その声を踊りとして開花させるソロ「薔薇の人」シリーズ。カメラが捉えた作品、その佇まいは常に、確固たる意志と自由闊達な精神を持ち、痛いほどの繊細さとやわらかなユーモアを湛えている。
2016年12月、黒沢美香は、10年以上にわたる癌とのつきあいを終え、旅立った。身長148cmの小さく丸っこいゴッドマザーの、ダンスへの問い=生の息吹をとらえた貴重な記録がここにある。

もう私のやることをダンスと呼ばなくていい
(text 鈴木理映子)
【追悼特別上映会】ダンサー黒沢美香の世界
https://www.uplink.co.jp/event/2017/48865
黒沢美香

黒沢美香 (ダンサー・振付家)
1957年-2016年(満59歳没) 神奈川県生まれ
5歳から舞踊家の両親のもとでダンスを習う。1978年にはニューヨークでルイス・ファルコに師事。1982年~1985年にニューヨークを拠点とし、欧米で活動を展開。帰国後、黒沢美香&ダンサーズを立ち上げ、2001年からはソロダンスユニット「薔薇ノ人クラブ」でも活動。日本のコンテンポラリーダンスを牽引し、後進の育成にも積極的に携わった。

PLANNER/SUPERVISOR
城戸朱理
NARRATOR
山田キヌヲ
CAMERA
山崎裕/髙野大樹/平林聡一郎/佐藤洋祐
VIDEO ENGINEER
黒木禎二/戸田裕士
CA
松村敏行
EDITOR
池田聡
AUDIO MIXIER
桑木知二
ASSISTANT DIRECTOR
松田知子/高橋良子
PRODOCER
寺島髙幸/清田素嗣・設楽実
DIRECTOR
平田潤子

EDGE 2 #31 / 2009.02.14

2024.12.29(日) 11:30- 放送 (BS日テレ)