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詩人

田原

異境にて、桜を詠う
~詩人・田原 東北の旅~

Tián Yuán

2009年、詩集『石の記憶』で、詩壇の芥川賞といわれる「H氏賞」を外国人として史上はじめて受賞した中国生まれの詩人・田原(ティエン・ユアン)。壮大なイメージの隠喩を多用し、日常的なテーマであっても日常を超えてゆく作品世界は「日本語で書かれながら異言語のようである」と評され、どこか大陸的でワイルドな響きをもつ。

異境にて、桜を詠う ~詩人・田原 東北の旅~

文化大革命下の中国。下放された父のもと河南省の農村で育った田原は、高校生の頃から詩作をはじめ、やがて公費留学生として日本へと渡る。4つの表記文字を持つ日本語は、彼に言わせれば“ロマンチックで、不思議な言語”だった。とりわけ感動を覚えたのは、谷川俊太郎の詩。のちに彼は、その詩作の多くを独自の中国語に翻訳し、母国へと紹介した。その谷川は、田原の詩を「純血が失いがちな豊かさや新しさがある」と評する。漢詩をルーツに持つ剛直な彼の表現によって、文化や言語の違いが見えてくるから面白い、というのだ。

異境にて、桜を詠う ~詩人・田原 東北の旅~

日本語という異言語により、ハイブリットな表現を獲得した田原。しかし圧倒的に自由なのは、やはり母語での創作という。スタッフは、あえて桜の咲き乱れる5月の弘前へと彼を誘い、そこで新たな詩作にチャレンジすることを提案する。古くから大和心の象徴と言われてきた桜そして花見。その叙情とまみえることで、言葉の持つ文化的背景から離れたところから降りてくる彼の詩情(ポエジー)はどのように刺激され、どのような新たな表現を生み出すのであろうか……。ひと月の苦労ののちスタッフに届いた、桜をめぐる鮮烈な詩編。田原は「日本人の生きている領域に踏み込んできたかな」と清々しく振り返るのだった。

異境にて、桜を詠う ~詩人・田原 東北の旅~
(text 佐藤寛朗)
田原

田原 (詩人)
1965年中国・河南省生まれ
2004年に、日本語による第一詩集『そうして岸が誕生した』を刊行。2010年『石の記憶』(2009年刊行)で、第60回H氏賞を受賞。谷川俊太郎の研究家としても知られる。

PLANNER/SUPERVISOR
城戸朱理
READING
中村優子
NARRATOR
平田潤子
CAMERA
山崎裕/平林聡一郎
VIDEO ENGINEER
山根則行
CA
佐藤洋祐
EDITOR
西村康弘
AUDIO MIXER
富永憲一
SOUND EFFECT
玉井実
AD
赤池佑介
PRODUCER
寺島髙幸/清田素嗣・設楽実
DIRECTOR
平田潤子

EDGE SP #8 / 2010.08.07

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