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作曲家

武智由香

時をつなぐ音の架け橋
~作曲家 武智由香 浄土の音楽を創る~

Yuka Takechi

東京芸大作曲科在学中に書いた作品が芥川作曲賞にノミネートされるなど、学生時代からその天才ぶりを遺憾なく発揮していた作曲家・武智由香。現在は日本を離れ、イギリス・フランスを拠点に作曲活動をおこなう。
2007年5月、神奈川国際芸術フェスティバルの一環としておこなわれた「聲明 西行マンダラ」のコンサート。天台・真言両派の僧侶による昭和と、日本を代表する雅楽・伝統楽器奏者の演奏が観客を魅了した。しかし、そこに至るまでには数々のドラマがあった。

時をつなぐ音の架け橋 ~作曲家 武智由香 浄土の音楽を創る~

武智の曲づくりは、まず西行や浄土真宗を知るところからはじまった。もともとは貴族の出身で、何不自由のない生活を営んでいた西行。しかし世をはかなみ、23歳で出家、俗世をはなれた道に入る。
奈良県吉野に向かい、かつての西行が歩んだ道をたどっていく武智。木々のざわめきや陽の光のなかで、西行はなにを感じたのか。また、修行によって自らを高めていこうとした西行の想いを、自身はどのように曲として反映できるだろうか。武智の思索はつづく。

時をつなぐ音の架け橋 ~作曲家 武智由香 浄土の音楽を創る~

「願わくば 花の下にて 春死なむ」。西行の有名な句に武智は想いを馳せる。昔も今も、桜の美しさは変わらない。桜をつうじて、西行の時間とわたしたちの時間がちょうど交わるような感覚を彼女は覚えた。――ちょうど桜の落ちる余韻が、ひとつの音楽になるように――。紆余曲折をへて曲は完成し、会場での賛美をあびた。その瞬間、武智がなにを思ったのかはわからない。しかし、音楽家としての彼女が先人たちから、かけがえのない「何か」を受け継いだことは確かであっただろう。

時をつなぐ音の架け橋 ~作曲家 武智由香 浄土の音楽を創る~
(text 若林良)
武智由香

武智由香 (作曲家)
1972年神奈川県生まれ
東京藝術大学作曲科首席卒業、大学院修了後、ボストン交響楽団タングルウッド音楽祭フェロー作曲家、ジュリアード音楽院、文化庁在外派遣員としてフランス国立音楽音響研究所IRCAMで研鑽を積み、英国王立音楽院でアジア人初の博士号取得する。作品はカーネギーホール、リンカーンセンター、ボストン交響楽団、新日本フィル他、国内外の主要な音楽祭・演奏家により委嘱演奏されている。米国コロンビア大学委嘱「Indra’s Net」(2012)、神奈川国際芸術フェスティバル委嘱「声明と雅楽 西行マンダラ」(2007-09)など伝統楽器の作品も数多い。

PLANNER/SUPERVISOR
城戸朱理
NARRATOR
渡辺美佐
CAMERA
水野宏重
AUDIO
渡辺丈彦/井上久美子
VIDEO ENGINEER
池田昌史
CA
世良隆浩/井之上大輔
EDITOR
小俣孝行
AUDIO MIXIER
吉田一明
ASSISTANT DIRECTOR
明仁絵里子
PRODOCER
寺島髙幸/清田素嗣・設楽実
DIRECTOR
狩野喜彦

EDGE 2 #27 / 2007.06.23

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