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哲学者

東浩紀

新しい言葉を探して

Hiroki Azuma

東京大学在学中に「ソルジェニーツィン試論」でデビュー、その後「存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて」(1999)や「動物化するポストモダン オタクから見た日本社会」(2001)で、文壇やサブカルチャー界に大きな存在感を示した批評家・東浩紀。2003年に放送された本作では、当時“若手批評家”として注目を浴びていた東の思想的背景を、彼が生まれ育った東京郊外を辿りながら読み解くことが試みられている。

新しい言葉を探して

ファミレスや、均質な家が立ち並ぶ丘の上の住宅地や、昭和と共に潰えた遊園地の跡で、「動物化」「セキュリティ化」など、著作で示した概念を提示しながら、「大きな物語の終焉」を説く東。しかし言葉に力がこもるのは、80〜90年代に青年期を過ごした彼が、どんなリアリティに依拠して生きてきたのかを語る時だ。人気アイドルグループ・おニャン子クラブのメンバーの実家を訪ね、昭和天皇が病に臥したら記帳に行く。本来は政治的決断が必要な行為さえ、物語として軽やかに“消費”する高校生だった。形式的な学歴社会という“ゲーム”の勝者として東大に進学し、浅田彰や柄谷行人とまみえながら、そこではじめて、言葉の世界の力が失われていることを知る。

新しい言葉を探して

記号的なコミュニケーションが氾濫する現代においては、言論よりも、テクノロジカルな“モノを変える力”を持つほうが、人に影響を与えられるのだ———こうニヒルに笑う東は、「データベース型世界」という観点を用いて、批評領域の拡張を試みようとする。しかし、それには正確な状況認識が必要だともいう。結局、哲学ってキーワードだよね、といって番組を締めた東。それから15年、現在も「ゲンロン」を主宰する東に、果たして世界を表象する新しい言葉は見つかったのであろうか?

新しい言葉を探して
(text 佐藤寛朗)
東浩紀

東浩紀 (哲学者・作家)
1971年生まれ。東京都出身
哲学者・作家。株式会社ゲンロン代表、同社発行『ゲンロン』編集長。
1993年に批評家としてデビュー。1998年に『存在論的、郵便的』でサントリー学芸賞。他に『動物化するポストモダン』『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』『ゲンロン0 観光客の哲学』など。

PLANNER/SUPERVISOR
城戸朱理
NARRATOR
numb
CAMERA
辻智彦
VIDEO ENGINEER
井澤賢博
SOUND EFFCTS
玉井実
EDITOR
小俣孝行
AUDIO MIXIER
森英司
ASSISTANT DIRECTOR
平田潤子
PRODUCTION MANAGER
清田素嗣
PRODOCER
寺島髙幸/大伴直子・設楽実
DIRECTOR
根岸弓

EDGE 2 #12 / 2003.07.26

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