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宗教家

今井幹雄

小さな煉瓦のビルの窓から

Mikio Imai

京都で、百年以上も前に真言宗の新聞社として創立された六大新報社。
「六大新報」は明治23年(1890)に創刊された日本でもっとも歴史ある宗教新聞であり、ひと月に3回、発行されている。そこで、半世紀以上、記事を書き続けてきたのが、僧侶でもある今井幹雄さんだ。

小さな煉瓦のビルの窓から

「ここに人生を埋めたようなもんやね」と今井さんは語る。今井さんの実家は、宝塚の寺。
長男が跡を取ったので、今井さんは、会社に寝泊まりしている。
「自分が生死から解脱しないかぎり、人は救えない」と語る今井さんは、朝夕の勤行のため、六大新報社の二階に仏壇を作ってしまった。
今井さんは、京都駅前で拾った子犬と15年間、暮らしていた。そして、犬との暮らしから、学ぶところが大きかったという。
それは、言葉についての思い。人は誰でも死ぬ。そして、死には、言葉を失う世界と言葉を超えていく世界のふたつがあるのではないか。

小さな煉瓦のビルの窓から

今井さんは2年前に胃癌を宣告された。癌も老いの現れ、老いを自覚すれば、死も受け入れることができると今井さんは語る。
人間は仕事をすべてやり終えて死ぬことはない。だからこそ、仕事を引き継いでくれる人を育て、それを死んでから見守るのだ、と。
死と向かい合いながらも、生きることの意味を見つめる姿。
「祈るとは、自らの想念を浄めること」。その願いを込めて、今井幹雄さんは、今日も記事を書き続ける。

小さな煉瓦のビルの窓から
(text 城戸朱理)
今井幹雄

今井幹雄 (宗教家)
1930年-2008年 兵庫県生まれ
130年近い歴史を持つ真言宗の専門誌『六大新報』主幹を30年以上務めた。著書に『修法』『それ迷信やで』『秘境 邪馬台国─仏教者が見た神話と古代史』『仏教を推理する』『真言宗昭和の事件史』など。

PLANNER/SUPERVISOR
城戸朱理
NARRATOR
伊沢磨紀
CAMERA
木村重明
CA
横田紘一
AUDIO
長谷川智亮
SOUND EFFECTS
玉井実
EDITOR
池田聡
AUDIO MIXIER
吉田一明
PRODUCTION MANAGER
清田素嗣
PRODOCER
寺島髙幸/大伴直子・設楽実
DIRECTOR
井上春生

EDGE 2 #1 / 2002.01.23

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