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思想家

前田英樹

宮本武蔵「五輪書」の哲学
〜思想家・前田英樹の思索紀行〜

Hideki Maeda

戦国時代に生まれ、生涯で60回を超える決闘に臨みながら、一度として負けることはなかったという剣豪、宮本武蔵。彼が最晩年に著したのが『五輪の書』である。武蔵が剣を通して会得した極意を後世に伝えようとした兵法伝書、『五輪の書』を、剣術と現代思想の視点から読み説こうとするのが、言語哲学者、立教大学教授の前田英樹。彼の『宮本武蔵「五輪書」の哲学』は、旧来の宮本武蔵像を一新する、深い思索が息づいている。

宮本武蔵「五輪書」の哲学 〜思想家・前田英樹の思索紀行〜

前田英樹は、学生時代から新陰流の剣術を学び、新陰流武術探求会を主宰する新陰流屈指の使い手という顔を持つ。
宮本武蔵が『五輪書』で語ろうとしたのは、人間の体や行為を通して、事物の本質を理解するという「身体の哲学」ではなかったか。
武蔵が『五輪書』を執筆したのは、熊本。
前田は、武蔵が『五輪書』を書いたと伝えられる雲巌禅寺裏山の洞窟、霊巌洞を訪ね、熊本で、武蔵の「身体の哲学」の意味を語る。
また、武蔵が編み出した二刀の刀法、二天一流を、演武してみせるが、それが決して派手なものではなく、むしろ、最小限の動きで相手を制するものであることには、驚きを覚えざるをえない。

宮本武蔵「五輪書」の哲学 〜思想家・前田英樹の思索紀行〜

戦国の世が終わって、刀を抜くことのない徳川の治世となったとき、宮本武蔵は何を考え、どのように自らの剣術を高めていったのか。
それは、自らの兵法を日常のなかに位置づけ直し、諸芸諸職に通じる普遍性を獲得することにほかならなかった。
だからこそ、武蔵は、書画に兵法家とも思えぬ傑作を残すことが出来たのだと前田英樹は語る。
変化して止まないものに、自らの身体でもって相対することで生まれる思想。その端的な直接性は、混迷の時代の光となるのではないだろうか。

宮本武蔵「五輪書」の哲学 〜思想家・前田英樹の思索紀行〜
(text 城戸朱理)
前田英樹

前田英樹 (思想家・評論家)
1951年大阪府生まれ
フランス思想家であり、言語、身体、記憶、時間などをテーマとして映画、絵画、文学、思想などを扱うほか、映画評論も行う。主な著書に『倫理という力』『沈黙するソシュール』などがある。

PLANNER/SUPERVISOR
城戸朱理
NARRATOR
尾張巴
CAMERA
本田茂
SOUND EFFCTS
玉井実
EDITOR
池田聡
AUDIO MIXIER
富永憲一
PRODUCTION MANAGER
清田素嗣
PRODOCER
寺島髙幸/大伴直子・設楽実
DIRECTOR
佐藤一彦

EDGE 2 #13 / 2003.09.27

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