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画家

三瀬夏之介

北からのにほん 画家 三瀬夏之介

Natsunosuke Mise

東北の地で新しい日本画の可能性を追求する日本画家・三瀬夏ノ介。日本画は「日本の自画像」を描くべきだと語る画家が、東北に移り住んで見つけたもう一つの日本のすがた、そして東日本大震災を経て辿りついた日本画への思いをめぐって語ってゆく。
京都で学生時代を過ごし、東京や大阪を中心に活動してきた三瀬にとって、大学へ赴任し、東北へ移住したことが転機となる。「東北における美術」を探して東北各地に足を運ぶなかで、作品のインスピレーションを与えらることとなった。

彼の作品は伝統的な日本画の技法を用いながらも従来の日本画とは大きく性格を異にする。支持体の和紙を千切り、揉み、張り合わせ、四角い絵画形式に収まらないインスタレーションとも呼べる大作を手がけ、過去の作品を解体して新たに作り変えることも珍しくない。新作「日本の絵~執拗低音~」は、揉まれた和紙が地形のように、墨の濃淡が山々のように表現された、10メートル近い意欲作だ。

北からのにほん 画家三瀬夏之介

三瀬はまた、学生とともに「東北画は可能か?」のプロジェクトに取り組んでいる。東北各地の人々の暮しを取材し、東北でなくては生まれえなかった作品を制作する試みだ。始動して3年目、東日本大震災を経験。三瀬にとって被災地はスペクタクル化を拒むものであった。それを目の当たりにし、作るべきものがはっきりしたという。
多様な価値観が乱立する現代、日本画も更新される必要があると三瀬は語る。されは古今東西のパースペクティブをもった「日本の自画像」を描くことである。「様々な感情をが込められて、個人のものでもみんなのものでもある、時空をこえて残る作品を作りたい」。そう語る画家はいま、日本画を新しい地平へと開こうとしている。

北からのにほん 画家三瀬夏之介
(text 大内啓輔)
三瀬夏之介

三瀬夏之介 (画家)
1973年奈良県生まれ
2012年第5回 東山魁夷記念日経日本画大賞展選考委員特別賞受賞。「日本画」を強く意識した作風で、錆を表現素材とした作品や、金箔、墨など用いた表現に取り組む。2009年から東北芸術工科大学で、教育活動の一環として、東北における美術を考えるチュートリアル活動を行い、展覧会、レクチャー、ワークショップなどを行う。

PLANNER/SUPERVISOR
城戸朱理
NARRATOR
佐久間鐘浩
CAMERA
髙野大樹
AUDIO
水上慎也
EED
西村康弘
AUDIO MIX
富永憲一
SOUND EFFECT
玉井実
AD
杉山あかね
PRODOCER
平島進史/寺島髙幸
DIRECTOR
伊藤憲

EDGE 2 #35 / 2015.07.04

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